TOYOU  YAKUZEN CHA 薬膳茶

2025/09/30 23:16



【1】燥邪(そうじゃ)と肺について


松:この暑さ、いつまで続くんだろうと心配していましたが
だんだんと涼しく感じる日も増えてきました。
秋といえば「乾燥」が一番に思い浮かぶのですが、季節の養生について教えていただけたらと思います。

山:仰るとおり、秋は「乾燥」が体に悪さをする季節です。
春は「風邪(ふうじゃ)」梅雨は「湿邪(しつじゃ)」夏は暑邪(しょじゃ)」ときて
秋は「燥邪(そうじゃ)」が悪い影響を与えます。

乾燥によってダメージを受ける臓器は「肺」なんですけど、
肺の機能は、酸素と二酸化炭素の交換といった呼吸の機能はもちろん
宣発粛降(せんぱつしゅくこう)といってエネルギーや体に必要なお水を
体表面までポンプ作用のように送り届けてくれているんです。

そのため体の外側(皮膚)が乾燥するのは肺がダメージを受けているというサインでもあります。
皮膚だけではなく、呼吸器や肺・大腸にも影響は出ますので
喉がイガイガしたり、コロコロ便になるというのも燥邪の影響になるんですね。
この時期は、喘息がある人は悪化したり皮膚の病気も増えたりします。

松:なるほど〜。これまで教えていただいた邪気と同じで、体の外のことは内にも起こる。
空気が乾燥すると体内も乾燥していくんですね。
この夏は湿気のある暑いうちから咳をしている人が多かったように思うのですが既に体内は乾燥していたんでしょうか?

山:それはクーラーが燥邪に近いので夏でも咳のお悩みが多いんです。
クーラーは乾燥するだけではなく、血行不良にも繋がるので靴下を履いたり温かいものを取り入れるなど室内の過ごし方にも注意が必要です。

松:たしかに暑くてクーラーをつけているといつの間にか体が冷え切っていたりするので
体温調節が難しい就寝時などは特に注意していきたいですね!



【2】バリア機能


山:肺には他にも大切な機能があって、それは「バリア機能」なんです
漢方では「衛気(えき)」といってイメージして欲しいのは
戦争の時に最前線で戦っている人たち。
その人たちが減れば減るほど、外から敵が入ってきてしまいますよね?
衛気が少なくなると自分を守る力が落ちて感染しやすくなります。
そのため夏から秋にかけて喉に出るような風邪をひきやすくなるんです。

松:わかりやすいです!
花粉も同じことが言えますか?

山:秋花粉もそうですね。外から中に影響することは肺のダメージ→バリア機能の低下からくることが多いです。

松:乾燥したりバリア機能が低下しないために心がけると良いのは、呼吸を意識することでしょうか?

山:そうですね。呼吸を意識することは簡単にできる養生のひとつです。
夏の養生編の最後にも少し触れましたが、今呼吸が浅い人って多いと思うんですけど
それは肺が弱いとかではなくストレスで気が巡っていないことでも呼吸は浅くなるんです。
そうすると取り込める気も少なくなるので巡らせるために呼吸を意識して動かしてあげることが大切なんですね。

松:息を吐き切ってから息を吸うんですよね!

山:そう、朝起きた時や眠る前などにお腹を触りながら腹式呼吸をするのがおすすめですよ。


【3】乾燥はお肌の大敵


松:乾燥の季節、気になるのがお肌のケアについてです!

山:夏の日焼けの影響も受けるから秋口のスキンケアはより一層大切だよね

松:夏の日焼け、、、。赤みはとっくに引いていても日焼けの影響って長引く気がします。
ゴワゴワして水分量が少ない感じがするんですよね。

山:そうそう。肺のバリア機能から免疫における話をしましたが、
皮膚が乾燥しているということは目に見えてバリア機能が低下していることを意味します。
そうなると、敏感になって普段使っているスキンケアが合わなくなることも。
内側からの保湿は後に食養生でもお伝えしますが、このような時は外からの保湿も効果的です。
こまめに保湿すること。これに限ります。
人それぞれ、適した保湿の方法はあると思いますのでオイルばかりでなくとも大丈夫です。
ヘルペスなども保湿をしっかりしていると悪化しなかったご経験などありませんか?
保湿=身を守る、と考えていてください。

松:肌トラブルで皮膚科にお世話になるときは必ず保湿剤をもらいますもんね!
これからの季節乾燥し始めると衣類の摩擦などでも痒みを感じたりしてくるので
今のうちから身を守るために全身保湿を心がけます!


【4】白いもので食養生


松:最後に肺に良い食材などあれば教えてください!

山:やはり内側から潤してくれる「白い食材」がおすすめです。
代表的なのは梨や白っぽいぶどう、いちじく、ナッツ類、白ごまなど
お野菜でいうと大根、蓮根、白菜
薬膳ぽいものだと白キクラゲや百合根などです。

松:逆に咳がすでに出ていたり、乾燥の影響がある人にとっては
辛いものなどに気をつけるべきですか?

山:実は肺って潤っている方がよく働くのですが、汗の調節など発散機能もあるんです。
つまり、適度に気持ちの良い汗をかくことが大切です。
激辛のものを食べて汗だくになることはおすすめしませんが
生姜やネギなのでじわっと汗ばむことは悪いものを発散させるので
風邪予防にもなるんですよ。

松:適度な汗は邪気を祓うことになるのですね!
食事ももちろんですけど、秋は深い呼吸や適度な運動も積極的に行っていきたいですね。


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